10代特有の色んな意味でピュアだったお付き合いの時の話

ちひろさん 年代:30代
地域:茨城県
目次

少女マンガの中には溢れているけれど

当時はまだ10代前半で、多感な時期ですので異性を強く意識しており、

あまり男の子と気軽に話す事が出来ませんでした。

でも小学生の頃から好きな人はいましたし小学生なりの恋はしていましたが、

お付き合いというものはよく分からなかったです。

少女マンガはよく読んでいたのですが、しょせん紙の中の出来事で、

現実とは関係がないという感覚でしたので彼氏を作るという発想も欲しいという欲求も特になかったです。

中学校へ入学してから男の子と交際している女の子達を目の当たりにし、

「付き合うって本当にあるんだな」と驚きました。

そうなると漠然と自分も彼氏ってものが欲しいなと思い始めますが、

まず付き合いたいと思えるほど好きな人がいないのです。

自分の事を棚にあげていましたが、

その頃はテレビの中のイケメンに見慣れてしまっていた事もあり学校の平凡な男の子にはあまり魅力を感じませんでした。

恋への憧れから交際への憧れへ

周りは早熟で中学一年生で同じ学校内の同級生や先輩と付き合っている子が多く、

首にキスマークをつけて登校してくる子もいました。

他校の生徒と付き合っている子もいて、私にはそれが大人な付き合いに見えてとても憧れを抱いていました。

なので好きな人がいるからではなく、お付き合いというものに興味があり、

知りたい味わいたいという好奇心から彼氏を作りたいと思うようになりました。

実際に同級生に「どうやって付き合うのか。

付き合って具体的に何をするのか」など聞きましたが、

いまいちピンとこなかったので自分で経験するしかありませんでした。

キスも、やはりマンガのキスシーンでは分かりませんでしたし年頃のせいでしょうが完全に好奇心でした。

日常の中で見つけた出会い

初めてお付き合いしたのは高校一年生の秋でした。

16歳という事もあり交友関係は広げられてもせいぜい友達の友達まで。

お小遣いも多くありませんから遊びの行動範囲も狭く身近なところでしか出会いはありませんでした。

その頃はもう携帯電話を一人一台所有している時代でしたので、

アドレスを聞いたり聞かれたりが盛んで私も友達のどさくさに紛れて同じ学校に通う一人の男の子とアドレスを交換しました。

女の子に優しいイメージがあり周りの友達もアドレスを交換していて、私も交換しやすかったからです。

この男の子とメル友になり、やがて電話をするようになったある日、

向こうから「付き合ってみたい」と言われ付き合う事になりました。

血眼になって探したわけではなく流れで見つかりました。

似た者同士でとりあえず始めた交際

私と同様、相手も私の事が好きだからというより交際自体に興味があったんだと思います。

お互いにそのような感じで付き合い始めましたが、

やはり初めて彼氏が出来たのでフワフワ浮き足立ちました。

学校へ行くのも景色が違って見えたり、他は何も変わらないのに自分が特別になったような気持ちでした。

それまでは学校が終わると真っ直ぐ家へ帰っていましたが、

彼氏が出来てからは放課後に体育館の一角でお喋りしてから帰るという習慣が出来ました。

ただそれだけでしたが、ものすごくドキドキしましたし学校へ行くのが楽しくなりました。

周りにも「彼氏がいる子」という目で見られて少し恥ずかしくも皆より少し大人になった気分でした。

改めて考えても彼に恋をしていたわけではなく、

恋に恋をしていただけですが今となってはその頃しか出来ないお付き合いだったなと思います。

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