地域:兵庫県
家が厳しかったため恋愛に奥手だった
初めての彼氏ができたのは19歳のことです。
男の子と気楽に話せたのは中学生までで、そこからは一貫性の女子校だったため男性に免疫があまりありませんでした。
さらに私の育った家は非常に厳しく、「媚びたり色っぽさを前面に出したりするのはNG」と戒められていました。
髪を指で触ったり掻き上げたりするのもNG。ミニスカートやデコルテの開いたお洋服もNG。門限も早くて夜は出歩けません。
そうこうしているうちに年齢が過ぎ、周りはたくさんの恋愛経験を積んでいるにも関わらず、私は女の子ばかりと遊んでいました。
幸い1人を楽しめるタイプのため「恋愛必須」とも思ったことはありませんが、この年齢で恋愛していないのは少数派。やはり何か物足りない思いを抱いていました。
イベントシーズンの盛り上がりを眺めていて…
いくら一人でも平気なタイプとはいえ、イベントシーズンには道行くカップルを見てどこか「虚しい」と感じていたのも事実でした。
周りにも「もっと積極的になりなよ」と言われていましたが、合コンもいまいち馴染めず諦めかけていた頃、やっと好きな人に出会えました。
19歳の夏のことです。
学校のイベント活動に参加していたところ、大勢の人混みの中、際立ってキラキラしている男性を見つけました。
顔見知りではありましたが、その時まではさほど意識することもなくやってきた男の子でした。
笑顔がとても無邪気だったので、目が一瞬で惹きつけられました。
同級生でお笑い系の親しみやすいキャラクター。私はそのとき初めて「この人が彼氏だったら…」とドキドキし始めました。
かなり遅咲きでしたが、その日のことは今でも鮮明に記憶しています。
ようやく出会えた、中学以来の好きな人
中学生の時以来の恋愛のトキメキに、すっかり舞い上がってしまいました。
共通の知人にそれとなく彼氏の有無や好みのタイプを訊いてもらいました。
彼女は1年ほどいないとのことでしたが、好みのタイプは私とは真逆のタイプだったので酷くショックを受けました。
恋愛スキルはおろか、媚びたり色気を出したりすることに罪悪感を抱いているほどの私。
とてもじゃないですがアピールすらできず、グループ交際のような形でひたすらゲームをする仲となりました。
そのうち、周りがなんとなく私の気持ちを察し、2人きりになるよう計らってくれるように。相手も恐らく気づいていたのでしょう。「今度〇〇に2人でいこっか」と誘ってくれました。顔から火が出そうでした。
真面目一辺倒の灰色ライフが鮮やかに色づき始めた
恋愛を始めてから、いつもの景色さえ眩しく光ってみえました。
何もかもが色鮮やかに映り、新鮮に感じました。
当時はとある資格試験の勉強をしていたのですが、どうも頭に入ってきません。
陳腐ですが「声が聞きたいな、今何してるかな」などと思い巡らせたりして勉強に集中できず困りました。でも気持ちはオーバーヒート状態で、とにかく楽しい日々が始まりました。
親に隠れて短いスカートを履いたり、ちょっとハデな格好をしたりして、「彼のために可愛くありたい」と思うようになりました。
それまでは親に言われたテイストのお嬢様風のマジメ服が多かったのが、どんどん気崩すようになり、自分でもこの心境の変化が信じられないほどでした。
恋愛上手には程遠く不器用な初恋でしたが、
<恋愛のパワーってこんなにすごい>
ということを思い知らされたのでした。