結婚は人生の墓場…母からそう教わった幼少期
私は現在30歳、結婚もしています。
自分の幼少期からのことを想うと、正直よく彼氏、結婚相手が見つかったなと思います。
私の両親はいわゆる「毒親」で、父はアルコール依存症でしかも浮気していて、
母はそんな父の面倒を「子どもがいるから別れられない」と文句を言いながらみていて、
その八つ当たりを私たち子どもに向ける人でした。
兄や姉は両親の不仲に慣れたもので、一定の距離を置いていましたが、
兄姉に愚痴っても効果が期待できない分だけ、私は母の父への恨み言を聞かされ続けました。
その結果「男、男女の交際や結婚はろくでもないもの」という意識が強くなってしまったと思います。
彼氏なんて一生いらない、と私が言うと、母は喜んで
「良い子だね。ずっとお母さんのそばにいてね」と言われるほど、母子で歪みながら密着してしまっていました。
初めて誠実だと思える男性と出会って変わった想い
男と付き合うな、と、半ば呪いのように母から父への恨み言を聞かされて育った私にも、
20歳になってようやく気になる男性ができました。
職場の先輩の彼は、大人しいけど優しく、いつも私をさりげなく気にかけてくれました。
次第に男性は、母が言うほど悪いものではないのでは?と思うようになり、
父への、男への愚痴を言い続ける母に疑問を持つようになりました。
母の愚痴を聞くより彼と話すことが断然楽しいと気付いて、母から距離を置くようになり、
それに比例してもっと彼と親しくなりたいと思いました。
彼氏がほしい、と初めて意識して、その思いが伝わるかのように、
彼からも「付き合っている人がいないなら、付き合わない?」と告白されました。
誠実な彼との交際は夢にも願ったことなので、今まで生きてきて一番嬉しかったです。
母の洗脳から逃れるようにして見つけた恋
職場の先輩は年下の私にも優しく誠実で、話していくうちにどんどん魅かれるようになりました。
同時に、「男とは、結婚生活とはろくでもないもの」と母から聞かされ続けていたので、不安にもなりました。
子どもが生まれるまでは優しかったという父は、母と結婚してからアルコールに依存し、さらに不倫もしていました。
彼も私と付き合ったとたんに、男の本性のようなものをあらわにし、私も彼を嫌いになってしまうのでは…と。
彼と付き合うには母の教えや生き方を否定する必要がありました。
母にも「付き合いたい人がいる。彼はお母さんが思っているような男の人じゃない」と何度も説得しました。
母は人生経験が浅いからあなたにはわからないのよ、と、聞く耳を持ちませんでしたが、
初めて母に反抗し、想いが通じて両想いになった彼と付き合うと決めました。
初めて肯定的に自分の人生を生きられるようになって
彼と交際し始めてから、私は初めて自分の人生を生き始めたと感じました。
それまでは母が父の愚痴を言うように、自分は母のゴミ箱として存在していると思っていました。
私が母の愚痴を聞いてあげなかったらきっとパンクしてしまうし、
愚痴を聞かされるのは正直苦痛でしかなかったですが、母を否定して離れることは、
父に見捨てられた母があまりに可哀想でした。
泊りのデートに誘ってくれた彼にそのことを話し断ると、
「そんな関係はおかしい。大人なんだし、君も親離れしないと」と指摘されました。
そこで自分の母中心の考え方を見直し、「自分がどうしたいのか」を考えるようになりました。
母とは案の定不仲になり、父のように私も恨み言をぶつけられるようになりましたが、
自分の人生には必要な、健全な親への反抗だと思っています。