奈良県
少し一人になりたかった
高校生の時に告白されて初めて彼氏ができてから、20代半ばまで、幸いな事に彼氏が途切れたことはありませんでした。
私はあまりこだわりがなく、相手に合わせるタイプなので、告白されて特に嫌いな理由もなければOKしていました。
相手に合わせて私が動くので、最初は特に不満は無かったのかもしれませんが、喧嘩もなく穏やかな日々が続くと決まって変化が訪れます。
刺激の無い日々に飽きた彼に浮気をされたり、「本当に俺の事が好きなのか」と問い詰められたりして、何だか付き合う事がどういう事なのか分からなくなりました。
そしてふと気づいたのですが、その時点で私は自分から誰かを好きになった事がありませんでした。
そこで、自分から誰かを好きになるまで、お付き合いはお休みしようと決意したのです。
誰かと共有したいと思った
数年間彼氏無しで過ごした日々は正直言って快適でした。
これまでは一人暮らしをしていても、知らぬ間に彼氏に合わせて生活していたんだと気付きます。
好きなものを食べ、好きなものを買い、時間を気にせず寄り道ができる…そんな小さな事も我慢していたんだと実感しました。
自分から人を好きになった事が無いと言うよりも、自分の気持ちを素直に感じる事自体をどこかで辞めてしまっていたのだと思います。
毎日小さな喜びや楽しみを感じていくことで、少しずつ自分の中に心が戻って行くのを感じました。
心が満たされていくと、自然と「誰かと共有したい」という気持ちが湧いてきました。
美味しいものを「美味しいね」と言い合いたい、楽しいことを笑い合いたい、最初はそんな気持ちのスタートだったように思います。
価値観を合わせるために
「価値観が大事」とはよく言いますが、私は「共有したい」がスタートでしたので、価値観が合う事は絶対でした。
そこでまず、自分と気の合う友達に、誰か紹介してもらえないか聞いてみることにしました。
気の合う友達の彼氏なので、価値観が近く、彼氏の友達もまた価値観が近いのではないかと考えたからです。
ただ、その時点では彼氏ではなく「男友達」でも良く、気の合う人と分かち合いたい気持ちの方に重きが置かれていました。
友達の彼の中に、あるサークル活動のようなことをやっている人がいて、そのサークルの活動自体私が好きなものだったので、参加させて貰うことにしました。
結果としてここで運命の人と出会うことになりました。
無理をしない自分に出会えた
サークルで出会えた人たちとは、結婚した今でも交流のある素敵な人たちです。
その中で今の主人と出会い、本当に自然に仲良くなり、気がつけばいつも一緒にいました。
これまでの彼氏は、いわば「どんな人か知らない人」であり、彼の好きなもののリサーチから始めなければなりませんでした。
でも今の主人は元々共通の話題がサークル活動でしたので、私が知っているものや感じていることをそのまま話すだけで、十分共感しあえました。
これまでの自分が、無理をしていたんだと気付きました。
自分の気持ちに正直になれたのが一番大きな変化です。
だからこそ時には、喧嘩のようになる事もありますが、今までで一番満たされた日々を過ごしています。