東京都
干物女に彼氏はハードルが高い
私は典型的な干物女でした。実家住まいで家事はお母さん任せ、ご飯も好きなものだけを食べる、全てが自分の好きに動ける生活でした。
まさにいつかのドラマの「干物女」です。
唯一の趣味は仕事でした。毎日12時間以上働き、昇進もして、それなりにいいお給料もらって、とても充実してました。
仕事をしている時が一番幸せで、休日や年末年始の大型連休が嫌いなほどでした。
また人付き合いも面倒で、自分から進んで外に出たりもしませんでした。
外に出るのは、仕事関係の事をしに行くときくらいです。
また仕事の次に好きなことは、一人でタバコを吸いながら、ビールを飲み、ビジネス雑誌を読むことでした。もちろん家です。
こんな女に彼氏なんて、ハードルが高すぎるんです。
電車に写った顔はおばさんにしか見えなかった
私は残業のために毎日、22時ころの電車で帰宅していました。
夜の電車のガラスは自分の顔が鏡よりも、陰影がよく見えるようになっています。
当時の私は鏡ではなく、そこに写る姿をチェックしていました。
ある時から、そこに映る自分の顔がおばさんにしか見えなくなりました。
いつも疲れているような、ほうれい線でどんよりした顔です。正直にやばいと思いました。
周りを見れば幸せそうなカップルの姿もあり、そんな人達の顔は「幸せです。充実してます。」と言っているように、若々しく見えました。
私に足りないのは高い美容液ではなく、女性ホルモンを分泌させてくれる存在だと分かりました。
だから彼氏がほしいと思いました。
コミュ障の干物女の行動範囲と限界
彼氏はほしいと思っても出来ませんし、お金があっても買えません。
少し調べたらレンタルはありましたが高く、干物女にとっては、今時の格好いい人たちと話すこと自体が苦痛でした。
街コンや婚活パーティーなんて、もってのほか。
ですが誰かと話さないことには、彼氏は出来ないことは知っています。
まずは自分で動き出そうと行動しました。行き着いた先は、友達が経営している、地元の居酒屋。私にとってはここが限界。
自分が思う以上のコミュ障を実感し、断念しました。
次に狙いを定めたのが会社。
なんせバリバリ仕事をしていただけあって仕事場でも取引先でも評判はよく、仕事となるとコミュ障は別問題でした。
二重人格もいいところです。そんな私にまんまと騙されたのが今の旦那さんです。
干物女からの脱却
彼氏が出来てからの私は毎日が楽しく、特に休日が楽しかったです。
なるべく早く仕事を切り上げ、彼のお家に行くか、ご飯を食べに行き、会えない日は毎日寝るまで電話。
会社でも一緒に仕事をして、帰っても休日もずっと一緒でした。
「彼氏がいるって素晴らしい」と浮かれていました。
あんなに楽しみにしていたタバコもビールも辞め、仕事をしてセーブして、好きな人のためにご飯を作る。
もちろん休日も早起きして掃除洗濯を終わらせ、朝食を用意してから彼を起こしてました。
また、誰にも見せなかったお笑いの物真似を彼としたり、いきなり飛びついたり、甘えまくったり。
実家と会社とは全く違う自分がいました。
今ではその彼と結婚し、子供もいます。今思えば、彼が私を正しい道に導いてくれたんだと思います。