地域:静岡県
恋なんて二次元で充分です。
絵画、写真、ゲーム、音楽&映画鑑賞、ファッション等、多趣味であったために時間とお金が足りない!
と嘆くことがままあり、加えて仕事に追われる忙しい日々を送っていました。
そんな中で彼氏を作る時間の余裕も金銭面の余裕もなく、
二次元の扉を開き二次元の素晴らしさに目覚め始めてからは更に拍車がかかり、
そのような青春じみたものとは無縁の人生でした。
告白は何度かされたものの、思春期真っ盛りの中学時代だったので噂や冷やかしの対象になるのが嫌で、
いつも断っていました。友人として接している分には楽しかったのですが、
相手は自分のことを女として見ていたという事実に嬉しい気持ちよりもショックを受けてしまったんですね。
まだ男女間の友情を信じていた時代でした。
そんなものはないのだなと痛感しましたが。
出会いは勤務先でした。
仕事場くらいしか出会いがなかったんですよね。
個人的にはそんなことどうでもよかったのですが、
私と同期の女の子と一つ年下のA君でよくご飯を食べに行ったりと交流を深めていった結果、
波長が合い仲良くなりまして、A君の友人も交えて遊ぶようになるほどでした。
そして、しばらくしてからA君に、友人が私のことを好きだと告白するらしいよ、という話を振ってきたんです。
最初は意味が分かりませんでした。何故それをA君が言うのか?という。
聞けばA君も私のことを好きだからとられたくない気持ちがあったらしく、
唐突に二者択一を迫られたという……そしてA君を選んだという、そんな経緯でした。
どうせ友人を選ぶんでしょ、と言っていたときの捨てられた仔犬みたいなA君が放っておけなかったんです。
正直、選んだ理由は同情でした。
いい経験にはなったけれどできれば思い出したくない暗黒の時代。
選んだ理由は同情からでしたが、実際付き合ってみると毎日楽しくて楽しくて、
恋人として過ごすうちに恋愛感情も芽生えて本当に好きになっていました。
疑似体験でしか知らなかった経験もしましたが、バーチャルではやはりリアルに敵わないのか……と思うくらい。
あんなに世界の中心だった趣味を投げ捨ててのめり込むほど盲目になるなんて予想だにしませんでした。
世界ってこんな輝いていたのかと。
ただ、それも一年で終わりました。
彼がこの土地を離れるということを引っ越しの前々日に知らせてきた時、
何故もっと早く言ってくれなかったのかとショックを受け、
遠距離恋愛はできる気がしない旨を伝えて合意の上で別れました。
いえ、他にも理由はあったんです。
彼の誕生日にはリクエストの料理を作って祝ったのに私の誕生日にはメールのひとつも来なかったり、
私の家に来るまでのタクシー代をいつも私が捻出していたり、
友人とは出掛けるのに私とは外でデートしてくれなかったり……それらが積もりに積もって爆発してしまったのだと思います。
総括して言えば、いい人生経験にはなったと思います。
でも冷静に思い返してみると初彼マジックだったのかなと……その時の自分の変わり様が本当にすごかったので、
もう黒歴史扱いです。まさに暗黒の時代でした。
当分は、また趣味を堪能する日々を送ろうと思います。やはり二次元は至高。