地域:大阪府
【仕事が楽しくて、彼氏どころではありませんでした。】
氷河期の就活を乗り越え、大学を卒業してすぐに、昔からの夢だったデザイン関係の仕事に就くことができました。
仕事はかなりハードで、日付が変わるか変わらないかというぐらいに帰宅することも珍しくありませんが、自分が好きなことをしているので全く苦になりませんでした。
頑張れば頑張るほど上司や先輩からの評価もあがり、まさに仕事こそが私の生きがいでした。
度々友達から合コンに誘われたりもしましたが、仕事が忙しいという理由でいつも断っていました。
彼氏なんか作らなくても、結婚なんかしなくても、一生一人でも、この仕事をして自分の力で生きていくという覚悟を決めていましたし、それこそが理想の人生だとすら思っていました。
そうして恋愛とは程遠い、仕事漬けの毎日を送っていたのです。
【早くも老後を想像】
20代も終盤に差し掛かり、母からよく彼氏の有無を聞かれるようになりました。
また、「友達に孫が産まれた」「近所で赤ちゃんを抱っこさせてもらった」など、普通の会話に見せかけて、遠回しに孫が欲しいアピールをされるようになってしまいました。
周りの友達も気が付くと既婚者の方が多くなっていました。
人は人、私は私、恋愛や結婚だけが幸せではないと最初は強がっていたのですが、そんな日が続くうちにだんだんと心が弱くなっていってしまいました。
仕事を辞めた老後は1人ぼっちになるのかな、その頃友達には孫でもいて楽しく暮らしているのかな、さらに年老いているはずの私の両親が心配するかな、孫を抱かせてあげた方がいいのかな、等、暗い気持ちになっていったのです。
そうなると、「彼氏、欲しいな」この言葉が頭に浮かぶまで時間はかかりませんでした。
【持つべきは友】
まだ仕事1本で生きていく可能性も捨ててはいませんでしたから、彼氏ができたらできたで、できないならできないでいいやと思ってゆるく恋活に取り組むことにしました。
まずは、既婚者が増えて随分お誘いが減ってきていた合コンに参加しました。
誘ってきた友達は、「どうせ今回も断られるだろうけど人が足りないから…」という理由で誘ったようでしたが、私が快く参加の返事をしてきたので大変驚いたそうです。
結局その合コンではあまりいい出会いはなかったのですが、その友達が何故参加してくれたのかと尋ねてきたので事情を話しました。
仕事人間だった私がやっと恋をしようとしていることにとても喜んでくれて、全力で協力すると言ってくれました。
それ以来彼女の紹介で、5人の男性と知り合いました。
そのうちの1人とフィーリングが合い、交際に至ったのです。
【幸せの形は人それぞれ、でもやっぱり愛があるのはとても幸せ】
相変わらず仕事は楽しく、忙しい毎日を過ごしています。
急な休日出勤でデートをキャンセルしてしまうこともあります。
ですが彼はいつも温かく応援してくれています。
1人で頑張っているんじゃないんだ、といい意味で肩の力が抜けたように思います。
休みの日も、今まではただダラダラと過ごしていましたが、好きな人に会って心が満たされることにより、1週間まるごとが充実するようになりました。
会社の先輩にも、最近綺麗になったねと言ってもらっています。
見た目にも変化が出ているようです。
自分から報告するのは気恥しいので母には彼の存在は言っていないのですが、休日に私がオシャレをして外出するようになって、何となく感づいているようです。
すんなり上手くいくかわかりませんが、仕事も恋愛も両立させて、いつか可愛い孫を抱かせてあげられたらいいなと、新しい夢ができました。