地域:北海道
彼氏以前に人が苦手だった
彼氏が、というより基本的に人と接することが苦手で、友人もうまく作れませんでした。
一人二人仲のいい人が出来たとしても、それを長く保つ事ができない人間でした。
そういった自分にコンプレックスをもち、さらに自分の殻に閉じ籠っていたのもあり、そうなると当然彼氏などできるわけもなかったのです。
また、私はそこまで容姿もスタイルもよくはなく、また幼少期は男子生徒からのいじめにあっていたこともあり、
男子に対しては「どうせお前も人の見た目を陰で蔑んでいんだろう?」「生物学上醜い人間には優しくあれないのが男」と思っていたため、普通の話をするのも苦手でした。
ひどい時は攻撃姿勢すら見せていました。男性側からすれば非常に困るタイプの人間だったと思います。
玉砕した想い
20歳の頃、北海道から栃木県に、派遣社員として出稼ぎにいっていました。
そこである男性と出会いました。
ある事がきっかけで男性は私に「友達になって下さい」と伝えてきました。
休みの日によく彼と出掛けていました。
そのうちに私は彼が好きになりました。
しかし、時代はリーマンショックが起きて多くの派遣社員が派遣切りに見舞われた時。
私が所属していた派遣会社も例外ではありませんでした。
私はその時住んでいた寮を出なければなりませんでした。
しかしそれは彼と離れ離れになるということ。
私は彼に自分の気持ちを伝えました。
しかし、彼はそれを「重い」と感じ、私を突き放しました。
私は仕事も恋も、棲みかも失い、北海道への帰還を余儀なくされました。
それでも彼への想いは絶ちきれずにいました。
彼氏がほしい、というよりはこの辛い気持ちを断ちきる人が現れてほしい、という祈りに近い感情が自分の中にあったのです。
ケーキの絵に反応した男
派遣切りで今まで働いていた所を出た後、北海道で、介護の仕事につきました。
最初に勤めたグループホームに、彼氏(後の旦那)がいました。
見た目が年齢より老けており、なにより恰好がだらしなかったのでそこまで意識もしてませんでした。
ある日入居者の誕生日会で、先輩からケーキのデコレーションをするように言われました。
私はメモ紙に簡単なデコレーションケーキのラフを描きました。
すると彼がのぞき込み、こう言いました。
「成葉さん、絵得意なの?」
そこから休憩中など、なぜ絵をかけるのか、趣味はなんなのか、など色んな話をしました。
彼は当時好きな人がいました。
当時の私よりも若くてかわいいギャルのような子でした。
しかし見事に玉砕し、落ち込んでいました。
その時からすでに趣味友達みたいな立ち位置だった私は、彼を励ましたりしていました。
するとそのギャルにやっていたようないわゆる「アタック」みたいな事を私にやるようになりました。
私はその時はまだ派遣社員の時に好きだった人を忘れずにいたため、その旨を伝えました。
しかし、彼は「それでもいい」と言いました。
それから私達は正式に交際するようになりました。
アクティブな心
彼はとにかく社交的で、どんな人にも気兼ねなく話しかけ、友達を増やしていくようなコミュニケーション能力が飛び抜けていい所がありました。
人間関係をうまく構築できない私にアドバイスをしたり、人に話しかけるきっかけを作ったり、時にはそれはやってはいけないと叱ってくれました。
見た目にコンプレックスがあった事も、「俺は綺麗な人より、多少丸みがある方が圧倒的に魅力的にしか見えない」といい、また男が皆見た目だけで見てるかといったらそうでもない、という説明もしてくれました。
かなりの時間がかかりましたが、今では私もそこまで緊張せず誰にでも自分から話しかける事ができる人間になりました。
また、とじこもっていた私を車でいろんな所に連れていってくれました。
私を変えてくれた本当に彼に感謝しています。