地域:アメリカ
恋愛が必要のない職場
中学生からの夢であった海外添乗員という職業になることができて、仕事が忙しく、そして楽しく、恋愛などしなくても十分に満ち足りていました。
初めの頃は覚えることが多く、落ち着いたと思ってもお客様のため、もっと知識を増やし、喜んでもらおう、と躍起になっていました。
そして、会社からもお客様からも評価をもらうたびに、もっと頑張ろうと努力してました。
また同業者の方は女性が多く、私よりも10以上歳の上の方ばかりで、独身の方が多かったため、焦る必要もないと思っていました。
また、他の誰かが恋愛をしていたり、婚活をしていれば、「自分はどうなのだろうか」と悩むこともありますが、まわりも仕事が大好きで恋愛が話題にのぼることもなかったので悩むことも全くありませんでした。
親を安心させたい
全く恋愛っけもなく、自分中心の生活をしている私を私の母親はとても心配していました。
兄や姉が結婚するたびに「あなたの結婚式も楽しみ」と言われ、「結婚式に別に夢はない」と女の子らしくない発言ばかりしていたので、本気で心配させたのでしょう。
ある時、私より15歳も上の先輩の家にお邪魔した時、先輩のお母さんが「あなたは早めにこの仕事をやめなさい」と言われました。
思うと、先輩は子供を望めない歳に近づいていて、将来先輩が一人きりになってしまうことをとても心配されたのだと思います。
私の母親にも同じことを心配させているのだと思うと少々申し訳なく思いました。
先輩は「欲しけりゃいつでも彼氏は作れる」と豪語していましたが、結婚、子供を考えると、少し難しいのではないかと思ってしまいました。
私にはまだ時間があるのだから、少しは前向きに将来のことを考えないと、仕事しかない人間になってしまうととても不安に感じました。
恋愛前提のお見合い
ある日、母親がある男性の写真を持ってきました。
アメリカに住んでいる母の友人の息子さんなのですが、「恋愛を前向きに考えながら、日本語を教えてあげてほしい」と言われました。
正直、見た目も私の好みではありませんし、「見合い」というのは少々抵抗がありましたが、せっかくだし、と少し連絡を取ってみると、なんとも気が合い、恋愛とは別にすぐにいい友人になることができました。
実際にアメリカに行き会ってみると、見た目はやはりタイプではないものの、一緒にいてとても落ち着き、無理に相手に合わせることがないところはお互いに魅力だと感じました。
彼も恋愛は今までしたことのないほど奥手の人だったのですが、「この先の将来のことを一緒に考えてほしい」とプロポーズのようなものを受け、晴れて恋人同士になることができました。
華やかな自分に大変身
連絡をとったりメッセージを贈るのが面倒臭くてたまらない私が、なんと毎日彼にe-メールを送るようになりました。
また仕事も多少はセーブをし始め、将来の可能性に向け、別の勉強を始めました。部屋も「見られても恥ずかしくないよう」訓練と称し、綺麗にしたり、料理も積極的に覚えようとし、服のスタイルもずいぶんと変わりました。
生活に華やかさが生まれ、朗らかになった分会社やお客様からの好評でした。
また恋愛すると、目標も生まれ、意思が弱い私が15キロのダイエットに成功できたときはとてもビックリしました。
2年ほどした後、その彼と遠距離恋愛の末、入籍をすることができました。
お見合いではありましたが、日々新しい一面を知ることになり、とても新鮮で旦那のことは大好きです。
母親も安心していますし、旦那に会えていいことずくめでした。