孤独だった私の話をまっすぐ聞いてくれた彼に恋した。

さりさん 年代:30代
地域:東京都
目次

自分から殻に閉じこもるくせ。

私の通っていた高校は、全校生徒数が少なく
「誰が誰と付き合ってた」「今の彼氏は友達の元カレ」みたいな情報がつつぬけで、交際も入り乱れているようなところでした。

もちろんそれが平気な子は華やかな恋愛遍歴となるのですが、私は小心者で、変なプライドもあり

「私のことをきちんと理解してくれる人ときちんと向き合って付き合いたい」「元カノが知り合いなんて、ぜったいにイヤ!」という考えでした。

結果ずーっと彼氏はできず。

私のような子はもれなく同じ状態で、男性関係は孤独でしたが、似た価値観の友達と「絶対に同じ学校で彼氏作るなんていやだよね」と結束を固めていました。

どんどんそうやって殻にこもっていった気がします。

家族の悩みを聞いてほしい。

少し家庭環境が複雑だったわたし。

父はあまり帰宅せず、寂しさを募らせた母は、どんどんアルコールにはまり、ほとんど依存症のような状態になっていました。
当時わたしは高校生。

誰にも相談できず、むしろその現状を隠すように、外では明るく振る舞っていました。

「本当は家に帰りたくない」「ずーっと酔っぱらっているお母さんをどうしたらいいの」「私はどうしたらいいの」

気持ちは爆発寸前だったと思います。

一人で家の前で立ち尽くし、そのまま足が動かず涙を流して時間を過ごしたこともありました。

友達には恥ずかしくてとてもじゃないけど、こんな家の状態は話せない。

何も言わずに抱き締めてくれる人がいれば。

そんなふうに思うようになっていました。

家に帰りたくなくて始めたバイト先で。

荒れていた家に帰るのが嫌で、私は学校公認のアルバイトを始めました。

アルバイトは、何も考えずに黙々と仕事をすればよいので、私にとって最高の気分転換の場所でした。

お金ももらえて、少しオシャレができて、私はそこでいきいきと仕事をしていました。

すると、売り場の別のセクションの男の子の視線を感じるように。

なんだかチラチラ目が合う気がする。

自分に自信がなかった私は「仕事がとろいと思われてるのかな」と、きびきび動くように気をつけるようになりました。

そんな日々が数ヶ月続いたころ、その男の子が売り場のバックヤードで休んでいた私のもとに来て「いつもお疲れ様です。働き者だな、といつも思ってます」と声をかけてくれました。

どうやら好意をもっていてくれたようでした。

それから他校の男の子だということがわかって仲良くなり、付き合うこととなったのです。

女友達とはまた違う存在。

家族の悩みは、なんとなく友達に話をしていました。

でも、高校生なので、学校で噂になるのが怖くて、そこまで深い相談はできなかったのです。

そして、女の子の友達は優しいので「わかる!わかる!」と話を聞いてくれます。

でも私はそのとき精神的余裕がなくて「本当に私の気持ちがわかるの?みんなは私みたいにこんなに辛い思いをしてるの?」

とどこかで心を閉ざしていました。

ところが、彼は違いました。

彼は、女性独特の噂話などには、うとくて、さらに「俺にはその気持ちは分からないんだけど」とハッキリ言う人だったのです。

今までそんな人はいなかったので本当に驚きました。

でも本当のことを言ってくれて、そのまま私の話をストンと聞いてくれる彼はとても信頼できる人でした。

心の支えとなってくれたのです。

同調も共感も無理にしてくれず、ただ話を聞いて側にいてくれた彼。とても感謝しています。

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