地域:静岡県
恋にも人付き合いにも無頓着な自分。
元々恋に恋する事があっても実際に男性とのお付き合いが始まると一定時期を過ぎた時に自分の中で飽きの様な波の引き際を感じる性格でした。
長くは続かないし、気持ちも長くはその人には向かず、自分はきっとこのまま誰とも長続きしないまま、結婚なんてありえないまま年だけを重ねていくんだろうなと思うようになりました。
そうすると新しい出会いがあっても、『どうせ長くは続かないんだろうな』と先入観が入り、その人のいい所悪い所を見るよりも、付き合っている間はせめてお互い良い思い出が残る様な時間にしよう、そのうちに本当に好きになっているかも知れない。
と中途半端な心理で結局は余計に気持ちが一歩置いている感じになり、いっそ彼氏を作ることはしばらく考えないようにしようと意識的に作らない時間が続きました。
一人の子供が教えてくれた慈しみ。
彼氏が欲しいというよりも、自分の理解者を求める様になり、そんな人が現れたら自分も一生懸命その人を大事にしたいと思う様になりました。
友人に子供が産まれた時は特別交流はなかったのですが、その子が大きくなって4歳を迎える頃に一緒に遊ぶ機会がありました。
口も達者でおませな女の子と私の友人はとても信頼の絆が強く繋がっている様子が傍目にみてもわかりました。
そんな時にふと、この先自分は一人きりだと諦めていた気持ちに誰かを本気で愛したいと考える様になりました。
今までいろんなアドバイスをくれる友人知人はいましたが、自分が本当に人を愛したいと気付かせてくれたのは4歳になる女の子でした。
気付いたら出会った恋。
いざ見つけようと思ってもどんな方法でとは思いつかず、ただ友人の紹介というのは本当に気持ちが動いた試しもなく、お互いに友人による前情報があったためになんとなく最初から警戒してしまうので、避けていました。
何となく入ったコーヒーショップで隣に座っていた男性の読んでいた書籍がたまたま自分の好きな作家さんだったので、なんとなくその本を横目に見ていた事で話すきっかけになりました。
最初は奇妙がっていたのがよく分かったのですが、気付いたら閉店までその店で色んな話をしていました。
コーヒーも何杯飲んだかわからないくらいでした。
書籍の作家さんの話から始まって、席を立つ頃には自分たちの悩みまで打ち明ける様になっていて、別れ際のアドレス交換の際には、お互いに交際を意識していました。
一変した人生。
先入観も前情報もない、自分をすんなり打ち明けられた人との交際は自分の人生を一変させました。
常に何か一つの事をずっと考えているという事は自分にはなかったのに、常に彼の事を考えたり、仕事の合間に何度も携帯を気にする様になったり、毎日寝る前には好きなコーヒーを飲んでゆっくり自分の時間に浸っていたのに寝る間際まで電話をしたり、一番変わったのは、それまでは気付かなかったのです。
ですが、少し人に対してとげとげしい部分があった性格が『最近穏やかになった』と言われる事が増えました。
一番の友人には『いい人と出会えたんだね』という言葉をもらい、生活だけではなく私自身も変えてもらえたのだと思います。
虚無感にも似た投げやりな気持ちがなくなり浮足立つ様な軽くて明るい気持ちになる事も多くなり、彼との出会いを心から感謝しました。
彼が授けてくれた小さな命も、慈愛の気持ちで毎日抱きしめています。