地域:愛知
忙しいのを言い訳にして、怖がっていたのかも
仕事優先の生活をずっと送っていました。
忙しいのは、仕事仲間や友人たちも同じなのですが、彼女たちはなぜだか、みんなパートナーがいます。
仕事終わりの飲み会や休日の旅行やイベント参加はいつも同じようなメンバーで、新しい出会いなんてそうそうないはずなのに、どうしてみんな彼氏ができるのだろうと不思議に思っていました。
と同時に自分が人間として、女性として、何か欠けているものがあるんだなと感じていました。
自分を知ってほしいという気持ちや、相手のことを知りたいという気持ちは、自分に自信があるからこその欲求だと思うのです。
私にはそれが無いのです。
私の事なんか誰も興味ないでしょうとひねくれていましたが、本当は自分をさらけ出すことが怖いだけだったのです。
そうは思いながらも、自分から積極的にパートナーを見つけることなんて、なんだかカッコ悪いように思えて、出会いはきっと自然な形でやってくるなんてタカをくくっていました。
大切な人の死が教えてくれました
仕事と飲み会と一人の時間の繰り返しが私の日常で、それはそれで充実しているものでした。
でも、ずっとそれだけでいいのだろうか。
これってある意味、甘えなんじゃないだろうか。
この生活は楽だし、傷つくことはないけれど、自分の殻に閉じこもっているだけなんじゃないかな。
そんなふうに思うようになったのは、大好きだった父が他界したことがきっかけでした。
急死でしたので、心の準備ができないまま一人ぼっちで広い海に投げ込まれた気分になりました。
もう誰も私を助けてくれる人はいないんだ。
そう思うと余計に悲しくなります。
とことん落ち込んだ後、自分を自分で支えていかなければならないという覚悟のようなものにぶち当たりました。
具体的にどうすればいいのかはわかりませんでしたが、そのヒントは多くの人との出会いにあるような気がしました。
その中で自分を変えてくれる人にめぐり逢いたいと思いました。
失敗は恋愛の素
仕事で大きな失敗をやらかしてしまいました。
発注ミスにより納期に間に合わず、担当者に迷惑をかけてしまいました。
こちらから無理にお願いして引き受けてくださった仕事なのにもかかわらず、担当者に恥をかかせてしまう結果となりました。
当然のごとく猛烈に叱られましたし、処理に駆けずり回りました。
事態収束後、その担当者からのお誘いで、お疲れ会をすることになりました。
こちらとしては行かないわけにはいきません。
内心びくびくしながらの飲み会でしたが、帰り際に今まで見たこともない笑顔で告白されました。
トラブルを懸命に処理する私をみて何とかしてやりたいと思ったそうです。
仕事以外でも付き合ってほしいと言われました。
ズカズカと入り込まれる喜び
自分の思っていることを、思っているがままに正直に表現することがとても苦手でした。
こんな自分を他人に見せたくないとか、もし相手が嫌な思いをしたらどうしようとかいつも考えていました。
自分の弱い部分を見せることをとても怖がっていたのだと思います。
でも、今はそのあたりがちょっと変わりました。
もうカッコつけてもしょうがない。
どうせ大した人間じゃないし、かっこいい自分なんか誰も求めちゃいないんだから。
そんなふうに考えるようになりました。
すると、相手の表情や態度も変わってくるのです。
私の前にある垣根をヒョイと飛び越えて、ズカズカと入り込んでくるのですが、なぜだかそれがとても心地よいと思えます。
久しぶりに感じた好きな人との距離感です。