地域:大分県
夢の世界の住人ゆえに男はいらなかったあの頃
自分が恋愛、結婚、普通の結婚生活をするなんて考えられず、ずっとマンガやアニメの世界の中で生きてきました。
現実逃避が凄すぎて、夢の世界を楽しみすぎていて、30代前半で「もう他の人の一生分生きた」などと言っている始末でした。
30代半ばになって、その頃は倖田來未の「羊水が腐る」ネタが世間を席巻していました。
ある日職場でその話になって、ふと自分のことじゃんと思いました。
あまりにも遅いのですが、その時やっと出産年齢には期限があると自覚しました。
なんとなく、芸能ニュースなどみていても、当時は40代の出産が普通のように感じていたんです。
いや、感じていたのではなくて、無意識の中に積もり積もっていった「私まだ大丈夫」だったのかもしれません。
駆け込み婚活
自分自身母が40近くになって出来た子なので、なんとなく考えることも後回しになって逃げていた話題でした。
ひとりっ子なのもあり、母の孫を見せろ攻撃も高齢になるとともに力弱くなってきて、良心の呵責が大きくなるに従って母に対する罪悪感まで出てくる30代半ばでした。
急いで結婚相談所やネットの無料婚活サイトに登録しましたが、もう年齢的に駆け込みなのがバレバレで、市場も極端に小さいもので、自分に売りのない私はまともな活動もできないままでした。
それでもまだ私はお相手を条件で選んだりしてて、熱も入らずに「やっぱり私は恋愛できない体質なんだ」と改めて確信するだけでした。
そんな中、ネット婚活でちょっとやりとりしていた人から、会ってみようと提案がありました。
こういう種類の優しさもある
お相手のその人は遠方の人でした。
写真は就活の履歴書に貼るようなきちんとした背広の写真。
私は九州、その人は関西。
でも関西は、同人誌イベントなどでちょくちょく出かけていたので、私の方から出向いてみました。
真面目さが伝わってくる優しい人で、お互いそんなに話がはずむタイプではなかったのですが、話の中で男の人の女性とは「タイプの違う優しさ」というものを初めて実感しました。
私自身がコンプレックスを持っている(と思える)核の部分、例えば、年齢とか子供のことの話題については「どっちでもいいよ」とか、「お天道様しかわからない」とか、私が気負わないような工夫をいつもしてくれていました。
「俺は高熱を出して数日入院したことがあるから、種がないと思われる」は、言われた時は笑ってしまいました。
わかりません。
もしかしたら私の考えすぎて、本当にそうなのかもしれません。
色々知れる楽しさ
今はその人と結婚しています。
他人は他人で自分ではないので、完全に相手をわかることなんてありません。
でも私は、女同士の「えーっ、そうなんだ、私もわかるわかる。」「痛いよねー。かわいそう。いいよいいよ」っていう種類の優しさが大好きです。
一方で、男の人の皆まで口にしない、ちょっと次元の違う優しさも新鮮で好きです。
今は毎日いろんなことが驚きで、未来に何が待ってるのかワクワクしています。
もちろんバラ色一色という訳では全然ないですが(笑)
結婚も恋愛も無理…と思っていた自分が「離婚シテヤル!」と思っていることがなんだか面白いです。
人間無理なんてことはないんだなぁ。
母に孫を見せてあげられれば最高でしたが、それがなくても、あの日の倖田來未さんには感謝しかありません。