地域:東京
「ダサい女の私」
中学3年生の高校受験において、志望校をことごとく外してしまい(不合格)、渋々滑り止めの高校に入学することになりました。
私としてはこんなレベルの低い学校へ通う人達と仲良くならなくても構わないと、彼氏は勿論、友達も作る気持ちは一切無かったのです。
閉鎖的な表情や態度を示していたので、男女問わず話しかけられることはありませんでした。
流行のヘアやファッションにも興味が無かったので、いかにもダサいスタイルでの学校生活でした。
こんなダサい女の子に興味を抱く男の子などいるはずがありません。
それなりに可愛い仕草や格好をしたら、もう少し男の子との接触やもしくは付き合ったりもできたはずですが、そんな私でしたので彼氏がいなかった訳です。
図書館で勉強するカップルを見て
高校生活はエンジョイしなくても、勉強を頑張って大学受験で成功すれば、楽しい薔薇色のキャンパスライフが私を待っていると思ってました。
その思いから、ひたすら学校の図書館と塾と自宅で、受験勉強に励んでいたんです。
そんな時、図書館でいつも決まって私の前に座り、同じ時間に机に向かう隣のクラスの男子がいました。
特に意識はしていなかったのですが、もう一人同時刻に近くに座る男子がいました。こちらは決まって彼女と一緒にラブラブ勉強です。
二人は付き合いだしてから成績がぐんぐん上り、大学の推薦条件をクリアする勢いでした。
受験勉強も一人でやるより二人だと楽しいのかなとふと考えたのはその時でした。
男子が近くにいたら、彼氏が出来たらもっと成績が上がるのかなと考えだしたら、私も彼氏が欲しくなりました。
「いつもの席にいる彼」
私は図書館の奥の一番左の席に座るのを決めています。探したい図書が近くにあるからです。
そして私の前にいつも座る隣のクラスの彼が決まって、勉強しにやって来ます。
この人も大学受験に向けて頑張っているんだと思うと、チャラチャラ女子と遊んでいる他の男子より格好よく見えてきました。
見てはいけないと思うと余計意識して、彼が読んでいる本をチェックしたり、帰る時間が同じになるように合わせたり、今まで意識していなかったのに自分でも信じられないくらいに意識するようになりました。
思わず「あっ!」と声を出してしまったのは、まるでドラマのように同じ本を手に取ろうとして手が触れあってしまったときです。
偶然でしたが彼が彼氏になってほしいと私が見つけた彼だと確信しました。
「二人で勉強二人で成績アップ」
図書館でのそんな偶然から、少しずつ話をするようになり、受験に向けて頑張ろうと私達は一緒に勉強するようになり、まるでデートのような感覚で会うことを重ねていました。
勉強に集中する彼の横顔を見てるとドキドキして頭に何も入らない私でした。
こんなことではいけないと、なるべく彼の顔を見ないで机に向かいました。それで隣にいるという彼の存在感を感じる事ができて、私は幸せな気持ちでした。
彼のせいで成績が落ちたと言われては大変だと、私も必死に勉強しました。一緒に頑張れる彼氏がいるなんて最高だと思いました。
私のモチベーションは上り、二人の成績も以前より上がってきたので、二人で喜ぶことが出来ました。彼氏なんて要らないと思っていた自分が、恥ずかしくなりました。