【自分に自信のなかった私】
私は中学生の頃に、同じクラスの男子からブスと言われいじめられていました。
それ以来女性としての自信を持ったことはなく、自分は魅力のない人間だと思って生きてきました。
ブスに彼氏なんかできるわけがない、恋愛なんて恵まれた容姿の女の子に与えられた特権だと考えていました。
それに、そのいじめのトラウマで男性と接するのが怖くなってしまっていました。
大学のサークルやアルバイト先は女性ばかりの所に入り、なるべく男性と接しないように暮らしたので、どのように仲良くなるのかもさっぱりわかりません。
どうせわかったところで、ブスの私には関係ないことだと卑屈になっていました。
就職するとさすがに男性社員もいる環境になりましたが、うんと年の離れた上司とは安心して話すことができました。
彼らは私のことをブスと馬鹿にしないことが分かっていたから安心できたのだと思います。
そんな調子で、恋愛対象にはなり得ない人間関係ばかり築いていました。
【自信を持たせてくれた先輩】
部署の関係上、2つ年上の男性社員からよく仕事を頼まれていました。
私は若い男性は苦手ですが、ごく普通を装って対応していたつもりでした。
しかしある日、部署の飲み会の際にその先輩にこう言われてしまったのです。
「俺って鈴木さんに何か悪いことしたっけ?なんで嫌われてるん?」と。
そんなつもりはないことを一生懸命説明したのですが先輩は納得してくれず、仕方なく正直に過去のいじめのことと男性が怖いことを話しました。
すると先輩は驚いて、「鈴木さんは全然ブスちゃうよ!何なら、本物のブスでも彼氏いたり結婚してたりするよ!」と言い、おもむろにFacebookを開きはじめました。
先輩の女友達というその人は、確かにお世辞にも綺麗とは言えませんでしたが、旦那さんと赤ちゃんと一緒に写真に写り幸せそうに笑っていました。
先輩は「鈴木さんは普通に可愛いよ、中学生男子ってアホやから、ブスブス言いたいだけやねん」と教えてくれました。
私は男性から初めて「可愛い」と言われて心の底から嬉しくなってしまいました。
私が本当にブスだったのは、卑屈な性格の方だったんだと気が付くことができました。
私にだって、恋愛ができるかもしれない、素敵な彼氏ができるかもしれない…と思い始めるきっかけとなりました。
【勇気を出して、片思いの先輩にアタック】
それからというものの、先輩から仕事を頼まれるたびに少しだけ雑談をするようになり、仲良くなっていきました。
先輩から仕事を頼まれるのが楽しみになっていました。
彼氏が欲しいという気持ちは、次第に先輩と付き合いたいという恋心に変わっていきました。
ある日、思い切って先輩を食事に誘ってみたところ、すんなりとOKしてもらえました。
嬉しくて嬉しくて、その日は眠ることができませんでした。
当日は、奢ってくれようとする先輩を強く制して、私が誘ったからと食事代を支払いました。
すると、「ほな次は俺が奢るから。次いつにする?」と提案してくれたのです。
これは夢かと思いました。
しかし夢はまだまだ続いたのです。
なんとその次の食事で休日のデートに誘われ、そのデートにて「ホンマは最初に俺からメシ誘いたかってんけど、ごめんな。
いつも一生懸命仕事してくれて、毎日顔見てるうちに好きになってもうた。俺と付き合って下さい。」と言ってくれたのです。
嬉しさのあまり、涙でしばらく言葉が出てきませんでした。
【生まれ変われたような気分です】
恋愛は禁止されていない職場ですので、さっそく彼は同僚たちに言いふらしたようです。
同僚たちから上司や後輩へ、噂が広まるのは早かったです。
愛のある冷やかしを受けますが、くすぐったいような嬉しいような、とても満たされた気持ちです。
恥ずかしくない彼女であるために、彼からの仕事はもちろん、他の人の仕事もますます頑張ろうと思うようになりました。
2人きりの時、彼はいつも私のことを可愛い、可愛いと褒めてくれています。
照れますが、自分に自信を持てるようになりました。
入社当初から安心して話せたうんと年上の上司は「鈴木ちゃんがあいつのもんになって寂しい〜」と冗談を言いつつも、「でも最近イキイキしてて、部署内も明るくなったし仕事も進むし良かった」と言ってくれました。
彼氏ができて、女性としての幸せをやっとつかむことができたと実感しています。